雫「今日の匡貴は3倍くらい
頑張っちゃいますね。」

絵梨花「え?3倍?」

雫「エリカ先輩が応援してくれたら...
好きな人が応援してくれたら...
人っていつもの何倍もの力が
出ちゃうものなんです。
私が体育祭の日に感じた気持ちです。」

絵梨花「そっか。」

部室から出て来た匡貴は絵梨花先輩に
向かって手を振った。

絵梨花「北見ちゃんがそう言うのなら
信じてみようかな。私ね、実は
北見ちゃんの事、結構気にいってるんだ。」

雫「そうなんですか?」

絵梨花「瀬那ってさ、難しい奴じゃん。
誰にも理解されないってゆーか
そのせいでずっと友達もいなくて。
それにほら、小6の頃、お母さんを
亡くしてから余計に暗くなって...
でも、北見ちゃんと出会ってから
随分と明るくなったから
今の瀬那を作り出したのって
北見ちゃんなんじゃないかって思うんだ。」