その時、私は初めて知った。
私は鏑木先輩だけを応援してた訳
じゃなかったんだって。
サッカー部の皆を応援してたんだって。

龍星「北見ちゃん。」

久しぶりに聞いた声だったから
幻かと思った。

雫「...梶谷先輩...。
学校...来てたんですか?」

龍星「うん。さっき来た。
今日で謹慎はとけてたんだけど
ズル休みした。でも、やっぱり
サッカー部が気になってさ。」

そして、何よりもいつも通り
梶谷先輩が私に声をかけてくれた事が
嬉しかった。あの日、私は
梶谷先輩に嫌われたとばかり
思っていたから。

龍星「何も言わずに聞いて欲しい。
とりあえず謝らせて。
この間は酷い事言ってごめん。
北見ちゃんを傷付ける事
分かってたのに、あの時...俺
いっぱいいっぱいだった。
本当、最低だった。ごめん。」