少し軋んだブランコの音が
閑静な住宅街に鳴り響く。

その音が気になったのか
匡貴は足でブランコを止めた。

雫「正しいのかな?
私のしてる事って。
...最悪なんじゃないかな?」

匡貴はうーんと言ったまま
何も言わなかった。

雫「正しいから...
褒められる訳じゃないよね。
正しいから...
優しい訳じゃないよね。」

匡貴「俺は優しいと思うよ。雫の事。」

雫「でも、正しいから...
鬱陶しいって思う事もあるよね。」

匡貴はもう一度ブランコの
鎖に手をかけると勢いよく漕ぎ始めた。