分かりたくはなかった。
けど、少しだけ...

匡貴「雫!!」

雫「...匡貴!今帰り?」

匡貴「うん。」

雫「あ!エリカ先輩とデート
してたんでしょ?」

匡貴「まあ、そうだけど。
つか、雫の方こそ
女子高生がこんな時間に
ブランコ乗るとか
不気味だからやめろよな。」

本音を言うと匡貴の顔を見て
ちょっとだけホッとした。

雫「だね。そろそろ帰りますか。」

私がブランコから降りると
その腕を匡貴が掴む。

匡貴「でも、俺と2人なら許す。」

雫「何それ。」

私が座っていたブランコの隣の
ブランコに座った匡貴は
勢いよく漕ぎ始めた。
仕方なく私ももう一度
ブランコに座り直す。

匡貴「まさか、この歳でブランコに
乗るとは思わなかったな。
でも、結構気持ち良いかも。」

私は、ブランコを漕ぐことなく
匡貴に尋ねた。

雫「何しに来たの?」

匡貴「さっきまでエリカと一緒にいて
終電乗って帰ってきたら
雫の姿が見えたから寄ってみた。」

雫「そっか。」

匡貴「なんてな。梶谷先輩から
連絡貰った。北見ちゃんに
酷い事言ったって心配してたよ。」

雫「そっか。」