雫「平気かどうかは分からないです。
でも、知ったかぶりしても
いつかボロが出ますから。
分からない時は分からないって
言っちゃえばいいんですよ。
数学の問題も。自分の気持ちも。」

ようやく合わせる事が出来た
視線を先輩に向けた。

雫「いつか、ちゃんと気付いてくれます。
間違いを正してくれた人の存在の
大切さにきちんと気付いてくれます。
相手が梶谷先輩なら尚更です。
だって、梶谷先輩もきっと
気付いてますから。梶谷先輩は
そうゆう優しい人です。」

瀬那「...そうだな。」

初めて先輩が私に向かって微笑んでくれた。
忖度のない笑みを。

雫「先輩!大丈夫ですよ!
傷付いた時は、私の事
ボコボコに殴っちゃって下さい。
私は先輩のサンドバッグですから。」

瀬那「まだ言ってんのかよ、そんな事。
お前の事、そんな風に思えねぇから。」

雫「ですね。私じゃ役不足ですよね。
いつか先輩のサンドバッグになれるように
鍛えますから。何はともあれ先輩。
今日はおめでとうございます!
全国大会も頑張って下さい!
じゃあ、私は帰りますね。」