軽くため息をついた先輩は
扉に手を掛ける私の腕をそっと掴んだ。
瀬那「何で、そんな風に思えんだよ。
分からない時は分からない。
知らない時は知らない。
悪い時は悪いって。
何で、お前は誰に対しても
そうゆう風に思えんだよ。」
雫「だって、知ったかぶりしても
理解したふりしても意味無くないですか?」
瀬那「怖いとは思わないのか?」
雫「怖いって何がですか?」
瀬那「相手に嫌われても平気なのか?」
その時、初めて私は先輩を知った。
いつもは聞けない先輩の本音だった。
クールで冷たくて何を考えてるか
分からない。でも、優しさに
満ち溢れている。不器用な先輩の
本音だった。



