だって、鏑木先輩の事を追いかけ始めた頃
1番初めに私に声をかけてくれたのは
梶谷先輩だったから。何度もへこんだ。
何度もめげそうになった。
でも、そんな時、いつも梶谷先輩が
優しい言葉をかけてくれたから
私は今日、この場所にいる。
何度、振られてもずっとずっと
鏑木先輩の事だけを好きでいたいって
思えたのは、紛れもない
梶谷先輩のおかげなんだ。
雫「体育祭の応援、嬉しかったです。
梶谷先輩が頑張れ!って言ってくれたから
足が軽くなって1位になれました。
梶谷先輩が私のためにイスを
用意してくれたから、立ちっぱなしで
辛いなって思う事もなくなりました。
知ってますか?曽根崎くんが、あの日
何で鏑木先輩に意見したのか。
曽根崎くんは梶谷先輩に
嫌われたくなかったんです。
鏑木先輩には嫌われてもいいけど
梶谷先輩には嫌われたくない。
そう言ってました。
梶谷先輩は何にもしなくても
鏑木先輩の役に立ってるんです!
だから...もう、やめて下さい。
あんな事、二度としないで下さい。」
梶谷先輩の乾いた笑い声が鳴り響く。



