先輩手に入れます!


匡貴から受け取ったカードを手に
私は女子トイレへと向かう。

用を足し、手を洗い
客席へと戻ろうとする途中
聞き慣れた声が聞こえる。

龍星「だから、これで負けて
くれればいいから。」

キャプテン「でも、やっぱりうちにも...」

龍星「どうしても勝ちたいんだよ!
確かに、俺は今日、試合には
出ないけど俺が出来る事なんて
これくらいしかないからさ。
瀬那の役に立ちたいんだよ。」

ドアの隙間から覗くと
梶谷先輩が知らない人に
封筒を渡していた。

キャプテン「うちが負ければ...」

龍星「その倍渡す。
だから、頼む!負けてくれ!」

これは私の勝手な想像。
だって、あの梶谷先輩がそんな事
するはずない。

私は扉と共に心の中の蓋を閉めた。