絵梨花「本当に中入っちゃって
良かったの?皆、ピリピリしてる。」
匡貴「大丈夫だって。
少しは緊張を和らげないと。
さっきまで俺もめちゃくちゃ
緊張してたけどエリカに会ったら
吹っ飛んだから。」
今まで、1度も見た事の無い
匡貴の顔だった。
匡貴とエリカ先輩の付き合いの深さとか
2人きりの時間とかは何にも
知らないけど、ちゃんと匡貴も
エリカ先輩の事が好きなんだなって
表情から伝わってきた。
控室の扉を開けると今日も
耳にイヤホンをした先輩がいた。
アップする事なく、ただじっと
ベンチに座って俯いていた。
スポーツなんてした事ないから
分からないけど、多分これが
気持ちを高めるって事なんだろう。
その姿を見た匡貴は
そっと控室の扉を閉める。



