でも、そんな弱音吐いちゃいけない。
ここは笑って先輩の期待に
応えなきゃ。だって、初めて
先輩が私に頼ってくれたから。
雫「梶谷先輩を元気付ければ
いいんですね?任せて下さい!
私の得意分野です!」
瀬那「いや、元気付なくていい。
ただ、あいつが間違った事をした時
お前が正してやってくれ。」
雫「分かりました!
ようやく、私も鏑木先輩の
お役に立てる時が来たんですね。」
胸を張る私を冷ややかな目で
見ていた先輩だったけど
その言葉は優しかった。
瀬那「変に頑張らなくていい。
お前はそのままでいいから。」
先輩からの頑張れは
1年間くらい頑張れそうなほど
嬉しいけど、先輩からの
頑張らなくていいは
3年間くらい頑張れそうなほど
嬉しかった。
でも...この時はまだ、気付いていなかった。
鏑木先輩の言葉の意味も。
頑張らなくていいその理由も
何にも分からずに私はただただ
舞い上がっていた。



