雫「私、今までずっと誰からもボールを
貰えずにただコートを駆け巡って
走るだけの人だと思ってたんです。
先輩みたいに頼られる事も
ボールを蹴って走る事も自分は
出来ない人間なんだなって思ってました。」

その姿を見たからこそ
なんとなくだけど、今の先輩になら
私の声は届くんじゃないかなって
少しだけ、自信が持てた。

雫「だけど、それって私が
受け取らなかっただけだったんですよね。
私の名前を呼んで北見、パス!って
言われても私の耳には届かなくて...
ああ、また私は誰からもボールを
回して貰えなかったって...
勝手に思い込んじゃってて
いつも寂しい気持ちになって...。」

先輩のために出来る事なんて
本当はないかもしれない。
今だって、先輩は私の話を
聞いてくれてるって
勘違いしてるだけで、全然別の事を
先輩は考えているかもしれない。