『ま、瀬川は興味無さそうだけど』


「んー、圭人は小さい頃からこういう行事系にあんま乗り気じゃなかったからねー」


『それにしても、佐倉にあんな過去があったとはな…俺も、幼なじみなのに、気づけなくてごめんな。』



桜木まで…私の周りの人は優しすぎるのだ。



「そこまで友沙に聞いたのね」


『あ、ごめん…いろいろ勝手に聞いて』


「ううん、大丈夫。いつかは、桜木さえ良ければ、話そうかなって思ってたし!話す時の辛さ半減!的な…?」



私はあえて冗談口調で言った。



『佐倉…』


「もう、冗談だよ!だから、そんな顔、しないでよ…」


『そうだよな、辛いのはお前なのに、なんで俺がこんな顔してんだって…』



普段お調子者の桜木が、こういう感じにしんみりしてるとどうも、調子が狂う

桜木の罪悪感を少しでも消すには、明るく振る舞うしかない



「…い、今まで通り、普通に接して?くれぐれも圭人に言うとかは──」


『分かってるよ。お前のことだから、自分のタイミングでいうんだろ?幼なじみなめんなよー!』


さすが幼なじみ。私の考えてることが1発で分かるらしい。


「そ、あったりー!やっぱ幼なじみすごいや」


『だから、そんな幼なじみに辛い時はいつでも相談しなさい!』


本当に、こんな優しい人達に救われて、私は幸せ者だな


「うん!ありがと。」