「その頃ですよね。カルフに助けられたのは・・・。」
テミロがカルフに確認すると、カルフは軽くうなずいた。現実として、テミロも、ロドも、ここまで時間にさらわれてしまった。そして、その事には理由がある。それを、ロドに理解してもらうためには、カルフも交えて話し合いをする事が大切だと考えた。
「本当かどうかは、お前もこの部屋を見ればわかるだろう、カルフは未来からやって来たんだそうだ。」
真っ白い部屋が、時折、綺麗な色で光る。少なくとも、ロドは見た事ない。それ以外にも、自分の周りには見た事のない物がたくさんある。それに関しては、テミロに反論する事はなかった。
「そうね、確かにカルフは未来の人かもしれないわね。でも、それと私達がここにさらわれてきたと言う事は、関係ないんじゃないかしら・・・。」
「関係ない事はない。なぜなら、お前さん達が死んでから、何十年、何百年も経ったあとの子孫の事だからな。」
「どういう事です?」
テミロとロドは、ほぼ同時に聞いた。
「ウィル、時間の研究をしていた彼の事は話したな。その彼は、お前さん達の子孫なんだよ。つまり、この災いを引き起こしたのは、お前さん達がいるからでもあると言う事だ。」
「そ、そうなんですか・・・。」
カルフの高揚した話し方とは、対照的な答え方だった。ふたりには、カルフの説明は難しすぎた。