「わかった。私も一緒に行く。親父、鎌をもうひとつ造っていたよな?隠しても無駄だよ。工場の掃除は、毎日、私がしてるんだからね。」
ヤンダルは、テミロを恨んだ。こんな事になるなんて聞いてない。しかし、もうひとつ鎌を造れと言ったのは、テミロだ。こうなる事をわかったいて、わざと言わなかったとしか思えなかった。
―――テミロ、お前どういうつもりだ。
ミルルが、パクと一緒に行く。そんな事を許せる訳がない。
「だ、だめだ。そんな事を許せるか。お前は、女の子なんだぞ。」
「なんでだよ。パクにきちんと話をしてれば、こんな事にならなかったんだぞ。悪いのは、親父だろ?違うか?」
正論だった。ヤンダルは、ミルルの言う通りにした。
「わかった。お前の言う通りにしよう。ちょっと、待ってろ。」
そう言って、工場に消えた。
鎌を持ち、複雑な表情で言った。
「パク、お前には本当に悪い事をしたと思っている。どんな謝っても許される事じゃない事は、わかっているつもりだ。それを承知で、あえて言わせてくれ。もし、ミルルが危険な目に遭いそうになったら、迷わず帰って来てくれ。頼む。」
土下座をしたヤンダルの額は、砂だらけになっていた。