「こらこら、自己紹介くらい、自分でさせてくれ。なにせ、久しぶりにご婦人と話が出来るのだからな。はじめまして。カルフと申します。」
「あ、こちらこそよろしくお願いします。」
ロドの挨拶にあわせて、ベッドが軽く揺れた。それが刺激になったのか、ロドの記憶が輪郭をつくっていった。
「カルフ、カルフって、あの・・・。」
「お前も気がついたか?そう、彼があのカルフなんだよ。」
ふたりが住んでいた村では、カルフと言う名前はとても珍しかった。同時に、とても有名な名前だった。
「伝説じゃなかったの?」
ロドの驚いている姿に、カルフは笑った。
「テミロに聞いた話だと、ふたりの村では、わしはとんでもなく祭り上げられているらしいの。わしが、この時間の流れを止められるとか。」
「違うんですか?」
その声は残念そうだ。
「そうだな。半分当たりで、半分はずれ。そんなところかの?」
「どういう事ですか?」
「やっと、その術がわかってきた。そんな感じなんじゃ。だから、お前さん達がわしの噂をしている時には、何も出来ない老いぼれだったと言う事じゃな。」
テミロが、カルフの説明に補足した。
「実は、ヤンダルの力を借りて、本当に時間の流れを止められるか、試したんだよ。そしたら、止められたんだ。一瞬だったみたいだけど、止められたんだよ。」
何か引っかかった。
「ちょっと待って。ヤンダルの力を借りたって・・・。それって、いつの話?」
しまった。テミロの表情は、何も言わずとも、そう言っていた。
「あ、いや、ついこの間・・・。」
「な、なんで、私の所には来てくれなかったのよ。私・・・。」
それ以上、何も言えずに泣き出してしまった。
「じゃ、あとはよろしくな。」
そう告げると、カルフは部屋を出て行った。
「あ、こちらこそよろしくお願いします。」
ロドの挨拶にあわせて、ベッドが軽く揺れた。それが刺激になったのか、ロドの記憶が輪郭をつくっていった。
「カルフ、カルフって、あの・・・。」
「お前も気がついたか?そう、彼があのカルフなんだよ。」
ふたりが住んでいた村では、カルフと言う名前はとても珍しかった。同時に、とても有名な名前だった。
「伝説じゃなかったの?」
ロドの驚いている姿に、カルフは笑った。
「テミロに聞いた話だと、ふたりの村では、わしはとんでもなく祭り上げられているらしいの。わしが、この時間の流れを止められるとか。」
「違うんですか?」
その声は残念そうだ。
「そうだな。半分当たりで、半分はずれ。そんなところかの?」
「どういう事ですか?」
「やっと、その術がわかってきた。そんな感じなんじゃ。だから、お前さん達がわしの噂をしている時には、何も出来ない老いぼれだったと言う事じゃな。」
テミロが、カルフの説明に補足した。
「実は、ヤンダルの力を借りて、本当に時間の流れを止められるか、試したんだよ。そしたら、止められたんだ。一瞬だったみたいだけど、止められたんだよ。」
何か引っかかった。
「ちょっと待って。ヤンダルの力を借りたって・・・。それって、いつの話?」
しまった。テミロの表情は、何も言わずとも、そう言っていた。
「あ、いや、ついこの間・・・。」
「な、なんで、私の所には来てくれなかったのよ。私・・・。」
それ以上、何も言えずに泣き出してしまった。
「じゃ、あとはよろしくな。」
そう告げると、カルフは部屋を出て行った。


