どれくらい時間が経ったのだろうか。ここしばらくは、こんなに長く眠った事はない。毎日の生活に追われながら、懸命に生きてきた。ゆっくり寝ている暇なんてなかった。それが、さっきの声を思い出すと、どこまでも心を委ね、安まる事が出来た。それに甘えるように、いつまでも、いつまでも眠りの中を漂っていた。
目が覚めた。驚くほど、頭がはっきりしている。痛みを感じていたはずなのに、それを感じる事がない。
「ずいぶん、お寝坊さんだな。」
真っ白な壁にある、真っ白な扉が開き、そこから声が聞こえてきた。信じられないが、良く知っている声だ。
「テミロ、テミロなの?」
「この間も、そう言ったろ。ま、あの時はしょうがないか。俺もここに来たばっかりの時は、今のお前よりひどかったからな。」
テミロの言葉を受け、ロドは周りを見回した。自分の家でない事は間違いない。周りは白一色に統一され、まるで別世界のようだ。
「ねぇ、ここはどこなの?なんか、特別な場所のようだけど。」
雰囲気としては、教会のそれに似ていた。厳格な、空気がピリリとする感じだ。
「うぅん。俺もよくわかっていないんだよね。今のお前のように、助けられた身だから。」
テミロはそう言って扉の方を見た。すると、そこからひとりの老人が出てきた。
「この方は?」
村では見なかった顔だ。
「はじめまして。ロドさんでしたか?それで良かったか?」
「そうです。妻の名前はロドです。しかし、本当に人の名前覚えるの苦手ですね。」
老人は、テミロに名前を確認した。どうやら物覚えが悪そうな感じだ。
「しかたなかろう。お前さんがここに来るまで、わしはずっと、ひとりだったんだからな。名前なんて覚える必要はなかったんだからのう。」
テミロは、老人を見て笑っていた。
「それでテミロ、こちらは?」
「あ、そうだったな。こちらは・・・。」
老人は、テミロの前に出てきた。
目が覚めた。驚くほど、頭がはっきりしている。痛みを感じていたはずなのに、それを感じる事がない。
「ずいぶん、お寝坊さんだな。」
真っ白な壁にある、真っ白な扉が開き、そこから声が聞こえてきた。信じられないが、良く知っている声だ。
「テミロ、テミロなの?」
「この間も、そう言ったろ。ま、あの時はしょうがないか。俺もここに来たばっかりの時は、今のお前よりひどかったからな。」
テミロの言葉を受け、ロドは周りを見回した。自分の家でない事は間違いない。周りは白一色に統一され、まるで別世界のようだ。
「ねぇ、ここはどこなの?なんか、特別な場所のようだけど。」
雰囲気としては、教会のそれに似ていた。厳格な、空気がピリリとする感じだ。
「うぅん。俺もよくわかっていないんだよね。今のお前のように、助けられた身だから。」
テミロはそう言って扉の方を見た。すると、そこからひとりの老人が出てきた。
「この方は?」
村では見なかった顔だ。
「はじめまして。ロドさんでしたか?それで良かったか?」
「そうです。妻の名前はロドです。しかし、本当に人の名前覚えるの苦手ですね。」
老人は、テミロに名前を確認した。どうやら物覚えが悪そうな感じだ。
「しかたなかろう。お前さんがここに来るまで、わしはずっと、ひとりだったんだからな。名前なんて覚える必要はなかったんだからのう。」
テミロは、老人を見て笑っていた。
「それでテミロ、こちらは?」
「あ、そうだったな。こちらは・・・。」
老人は、テミロの前に出てきた。


