「ロド、ロド。」
聞き覚えのある、そして懐かしい声だ。
「だ、誰?」
体中が痛い。頭もぼんやりしている。複雑な事が、面倒くさくなっていた。
「僕だよ。わかるかい?」
「わからない・・・。」
何かを感じているのは、わかっていた。でも、その何かが何なのかは、わからない。いや、面倒くさくて、わかろうとしなかった。
―――誰なの?名前を言って。
「テミロ、テミロだよ。」
知っている名前だ。でも、わからない。とにかく面倒くさい。思い出す事が億劫だ。それにとても眠い。耐える気も起きない。欲求に従うように、そのまま眠りについた。
「寝ちゃったか・・・。」