「あぁ、・・・あんた、来世では真っ当な人生歩めよ。」
男「い、嫌だ!!死にたくないぃ!!!」
「「狐の嫁入りにご注意を。」」
ざしゅっ、どさっ、
絶命した男を一瞥することも無く、
刀についた血を払い、鞘に収めた。
すたっ、とコウがそばに降り立つ。
コ「お疲れ、れーちゃん。帰ろっか。」
「ん。・・・ぁ、」
その時、視界にあるものがうつった。
コ「ん?」
「猫・・・!」
真っ黒でしなやかな肢体。
黄色と水色のオッドアイ。
愛くるしい黒猫だ。
「・・・かわいい・・・、」
面を外し、じぃぃーと見る。
コ「・・・れーちゃん、猫の事になると別人だよね。」
「だってかわいい。・・・コウも好きだろ。」
コ「そりゃ、猫派だけどさ・・・」
「・・・触っても、逃げないかな・・・」
そろそろと手を伸ばす。
その時、黒猫の目が微かに光った。
コ「・・・っ、ひかっ・・・!れーちゃん、この猫なんかおかしい!」
「え?」
慌てて指を引っ込めようとしたが、遅かった。
麗の指先が猫に触れた瞬間、
目を開けていられないほどの光に呑まれて・・・、
二人は意識を失った。
その日、都市伝説として確かに存在していた二人の殺し屋は、
人知れず消え・・・、真実は謎に包まれた。
