「・・・疲れた。すっごい疲れた。もう学校行きたくない。」


「まーまー、れーちゃん、我慢我慢。・・・俺も時々切り殺したくなるけど。」



ニコニコと眩しい笑顔でさらっと怖いことを言う


幼馴染みでも、仕事仲間でもある男を横目にスマホを取り出した。



「・・・今日も、仕事。」


「りょーかい。」


そういえば、自己紹介まだだった。


私は、黒崎麗(くろさきれい)。


この男は、赤羽コウ(あかばねこう)。


私たちは梅雨の時期限定の「殺し屋」。


学校では、白崎ゆり、黒羽日向と名乗っている。


コ「れーちゃんさ、学校の時と素の時全く違うよね」


「まぁ、作ってるから。・・・思うんだが、別に付き合ってる設定要らなくないか?」



一応、恋人同士ということにはなっている。



コ「えー、いいのー?ただでさえラブレターとか呼び出し多いのにフリーとか、もはや身の危険感じるよ?」


「今のままでいい。」


コ「ね?・・・ま、安心してよ。俺は人を好きになれないし。あっ、もちろん恋愛的な意味でね?れーちゃんは大好きだよー!!」


「はいはい。」



抱き着いてくるコウを片手でひっぺはがしながら


堅苦しい制服のリボンを緩める。



コ「水飲む?」


「飲む。」



とんできたペットボトルをキャッチし、よく冷えた水を流し込む。