「「っ、〜〜〜〜っ!!!」」



ようやく我に返り、全力で元来た道を引き返す。


だが、直ぐにその足は止められることとなった。


たんっ、


重量など無視した軽い動きで、目の前に今度は赤い狐の面を付けているやつが降り立った。



「「うっ、うぁぁぁあああああああぁぁぁ!!!」」



腰を抜かし、互いに抱き合う少年たち。



?「あーらま、どーする黒?見られちゃったよ?」


?「赤、・・・知ってた。・・・おい、そこの二人。」



いつの間にか後ろにいた黒い狐の面。



「「ひゃ、ひゃい・・・」」



もう失神寸前の所をどうにか持ちこたえ涙目で応える。


黒、と呼ばれた方が二人に話しかける。



黒「ここで見たことは全て忘れろ。誰かに話したりなんかしたら・・・まあ、分かるだろ。こっちも関係ないやつまで殺りたくないしな。」


赤「別に言いたいなら言ってもいいよ?ただ、その日が君たちの命日になってもいいなら、ね?約束出来る?」



こくこく!と首がちぎれそうな程強く縦にふる。



赤「んじゃ、おやすみぃ」



とんとん、首筋に軽く衝撃が走る。



黒・赤「「狐の嫁入りにご注意を。」」



意識が急激に薄れゆく中、少年はやっと思い出した。


梅雨時期、狐の嫁入り限定の殺し屋。


二人の名は、「黒狐」と「赤狐」。