ある、六月の雨。
梅雨の時期ならではのじめじめとした空気の中
二人の少年が、傘をさしながら歩いていた。
雨の日は気分が落ち込みやすいが、
今日はいつもと違う。
晴れ雨だからだ。
雨は降っているのに明るいというあまり体験出来
ない現象に少しうきうきしながら、
長靴で水溜まりにぱちゃん、と突っ込む。
「なーなー、知ってるか?」
「何がだよ?」
「ある噂みたいなのをネットで見つけたんだけど」
「おう、」
「ここ数年、梅雨の時期になると決まって人が消えてるじゃんか?一般人の時もあればお偉いさんの時もあるし、」
「それが、どうしたんだ?」
「噂によると、二人の殺し屋?の仕業らしい。」
「殺し屋?小説とかの話じゃなくて?」
「ほんとにいるらしいぜ?」
「へー、」
「あくまで噂だけどな。あー・・・えっと、名前なんだったっけ?」
そんな話をしながらもどんどん歩みを進めていく
「うー、出てこねぇ。」
「どんな格好してるとか、特徴ないの?」