蓮side

「俺は元から神凪」

見つけたと、思ったんだけどな
紫音にとっては生き別れた姉が、ずっと探し続ける唯一の家族が
俺にとって、ずっと好きな女が


正side
桜井が女だと気づき、しまったと思った…
でも

「違う」

栞がハッキリと否定した
お前の抱えてるモンに巻き込まない為に、紫音を…アイツを守る為に

落胆する神谷
桜井はまだ何かを疑って雫を離そうとしない
これ以上追求される前にと、栞の肩を掴んで引き寄せる

「今井、何すんだ」
「ソレはこっちのセリフだ。雫は神谷の姉じゃない」
「…」

桜井は何か言いたそうだが、屋上を出ようと踵を返す
ドアを跨いだ時

「じゃあ話を変える」

栞が立ち止まる

「神凪雫、白狐の姫になれ」
「「!?」」
「…は?」

そう来たか…
栞は少しだけ振り返る、メンバーは突然の事に動揺してる
桜井は雫を真っ直ぐに見つめる
コイツは何かを感じ取ってるのかもしれない

「行こう、正」
「…ああ」