「テメェッ!!」

煩い
男を無視して立ち上がる

「待ちやがれぇ!」

そのまま屋上を出ようと歩き出す
パシッ

「!?」

桜井が私の手首を掴む

「この手首…、お前まさか…神凪か?」

あ〜あ、気づかれた

「神凪、何でお前がここに居る」
「蓮、知ってるんですか?もしかして、春也のクラスで言ってた転校生ですか?」
「ああ、朝ぶつかった」
「ぶつかったって、っつか転校生?」
「神凪、何でここに居る」
「…」
「おい、答えろ」
「言う必要あるか」
「んだと」
「俺がどこに居ようがアンタには関係無ぇだろ」
「ここは俺達白狐の溜まり場だ」
「それが?」
「ここは職員室にある鍵か、俺が持ってるスペアでしか入れねぇ。
なのに、何でお前が居るんだ」
「その職員室の鍵で開けた、それ以外にあるか」
「転校生のお前が?」
「…どうでもいいだろ」
「神凪…いや、下の名前を教えろ」
「……は?苗字だけで十分だろ」
「……蓮にこんな態度を取る人を初めて見ました」

眼鏡が何か言ってる