紫音が静かに部屋を出る
ありがとな
栞は俯いて、泣いてる

「蓮…」
「何だ」
「私には、蓮の記憶が無い。思い出そうとしてるけど、結局何も…
蓮が私を大切に思ってくれてるのは分かってる…けど
今の私は、貴方に応えれない…応えちゃいけない」
「…」
「一緒にいても、蓮が辛くなるだけ。だったら私は、蓮の前から消え「ざけんじゃねぇ」」
「前にも同じ様な事を聞いたな、いつか俺の前から消えるって」
「…それが、蓮の為だか「俺の為?」」
「勝手に決めてんじゃねぇよ。俺の為に消える?…っざけんじゃねぇよ!!」
「…っ」
「俺にとっての幸せは、お前が側にいる事だ。例え記憶が無くてもな」

栞が顔を上げて、俺を見る