訳あり無表情少女と一途な幼馴染

ガチャ
屋上に出ると風が頰を掠めた

「気持ち良い」
「来て正解だな」

フードと眼鏡を外して空を仰ぎ見る
鳥が風に乗って飛んでる
あの鳥みたいに自由になれたらな…

「栞、お前はもう自由なんだ」
「…」
「どこへだって、行ける」
「…」

何も返さなかった…いや、返せない
約8年間、ずっと1人で居た何も無い灰色の部屋
1つだけの小さな窓から見える景色…そこから見える鳥
その鳥を見つめ
私も…と思った
普通の…外の世界を知らなかった私にとって
行きたい場所なんて…何も思い浮かばない

でも、見つけてほしい…とは願ったかな