蓮side
それから、雫は少し変わった

「ゲームやろ!」
「…ん」

春也がゲームに誘い

「雫さん、こういうのは読みますか?」
「うん、読む」

朔とは本の話を
今まで何にも興味を示さなかったが、少しずつ…打ち解けていってる
それに自分の事も《俺》じゃなく《私》って、俺達が散々言って渋々な感じだけど
だが、1つ気になってる事が
雫の笑う顔を見てない
何をしてても無表情のまま

「雫、楽しい?」
「…ん〜」

何をしてても、曖昧な返事しか返ってこない
それに、そういう会話をする度に紫音が悲しそうな表情をしてる

「紫音、お前は雫の何を知ってるんだ」
「…」
「何でそんな悲しそうに雫を見てる」
「ゴメン、蓮。今はまだ話せない」

紫音は雫の元へ行く

「雫、何やってるの」
「今ね…、…」

紫音だけが知る雫
俺は雫を、何も知らない