訳あり無表情少女と一途な幼馴染

「名前」
「は?」
「名前答えれば、とりあえず離してやる」

とりあえずってなんだ

「……神凪」
「カンナギ、漢字は?」
「…神様の神に、凪」
「神凪」
「答えただろ、いい加減離せ」

桜井は私をジッと見る

「おい、離せ」
「前髪長いな、この眼鏡も伊達だろ?」

眼鏡を目の前でプラプラと見せられる
名前答えれば離すっつったよな
桜井が前髪に手を伸ばしてくる

「目ぇ見せろ」
「!?」

私は思いっきり桜井を突き飛ばす

「って!」

桜井がよろめいてる隙に走って逃げた