「和士」
「…なんだ」
「あれでいいのか」
「…」
「記憶を消すって、居なくなるって…」
「…」
「何が栞をああさせてるんだ、栞が恐れてるのは何「正、それ以上言うな」
「和士、お前は知ってんだろ?」
「…栞だって、忘れたくて忘れた訳じゃない。忘れさせられたんだ」
「どういう事だよ…」
「お前はこれ以上、踏み込んでくるな」
「なっ…」
「これ以上関わる事は、許さない」
「…っ」
「お前には大事な家族がいるだろ、お前に危険が及べば家族が悲しむ
栞も責任を感じる」
「…」
「正」
「……分かったよ」