…何で、ここまで

「その女…よっぽど大切なのか」

胸元を掴んでる蓮の手が緩む

「大切なんて言葉だけじゃ足りねぇ。
胸ん中に穴が空いてるみてぇで、ずっと頭から離れない。
大事な…大事な、俺の…」

蓮は手を膝の上でギュッと握り、俯く

前に蓮が動揺してたのは《シオリ》って私と同じ名前

「おい」
「んだよ」
「その女、苗字は」
「は?」
「お前が話してる時、よく出てくるからな」

同名なだけか、それとも