鈴羅は髪の色を金に染めて瞳の色を蒼に変えた。



どれも、自らの能力。っと言っても精霊の力を借りているだけ。



「水虎。紅龍。戻って良いわよ。ありがと」



水虎と紅龍が精霊に戻る。



「さて、何処に行こうか・・・」



鈴羅は適当に少し歩くと町が見えてきた。


町・・・多分、お城が後ろにあるから首都だろう。




「・・・酷い・・・」



首都だと言うのに・・・荒れ果てていた。



建物は壊れ、道は土がえぐれている。



少し、歩いてみると・・・人がたくさん死んでいた。



何故、兵士が居ないのか。


何故、城の者が居ないのか。


それとも、知らないのか?


そんな事が頭の中で繰り返されていた。



「娘・・・さん・・・早・・・く・・・此処から・・・逃げ・・・な」



目の前で倒れている、お爺さんが鈴羅にそういう。



「え?」



「魔・・・族が・・・来るから・・・早く・・・逃げな・・・」



最後のほうがかすれていく。



それから、お爺さんが動かなくなった。