「治癒術を少し使ってみて?」



リールに指を出して言うと、



「コレ・・・治すの?」



鈴羅は指を切って、布で縛っていたから少し・・・紫になっている。


未だに、血が止まらない様だった。



「アハハ・・・強く縛りすぎててね・・・」



リールは掌を傷口に向けた。


淡い光が出る。


傷口を見てみると


血が止まっているだけだった。



「うん、リール姫は止血が出来るんだね。じゃぁ・・・姫の気持ちを込めてごらん?
姫はスグに得意になれるよ。リラックスしてみな?」



優しい問いかけにリールはもう一度使った。



「あ・・・治ってる!!」


リールが喜んでいた。



傷が綺麗にふさがって、紫ではなく、元の色に戻っていたからだ。




「良く出来ました。リール姫は緊張しすぎだよ?リラックスして・・・ね」



「うん!ありがとう!レイ兄様!」



ニコニコとして鈴羅に抱きつくリール。



「水魔術は明日にしようね?」



機嫌よく、うんと頷くリール。



「リクアお兄様とリークお兄様より・・・好き!」


ああ、この言葉で鈴羅は・・・敵を増やしました。