リクアを蹴飛ばした後に、フッと思ってしまった。



「仮にも王族だったら・・・どうしよっか」



否、思ったことを口にしてしまった。



「仮ではないぜ?」



アノ青年が口を開く。



「あ・・・そうですか・・・」



仮では無かった。



「リクア様~?大丈夫ですか?」



兵士の一人がリクアの顔を覗く。



気絶しているのだ。



「情けない・・・女に負けてどうする」



青年はため息を漏らす。



「リーク様!どうしますか?」



兵士が青年をリークと呼んだ。



「自室にでも運んでおけ」



リークはそう言うと鈴羅の手を引いて牢獄から出た。