紅葉色の恋に射抜かれて

結局、私はそのあとの練習でもほとんど的に矢をあてることができなかった。

申し訳ない気持ちでいっぱいで、私は部活終了後に同じチームの先輩たちに頭を下げる。


「すみませんでした」


先輩たちは、いつもは気兼ねなく話してくれるのに笑顔がぎこちない。

たぶん、というより絶対、私と同じチームであることに不満があるんだと思う。

それを決定づけ るように、先輩たちは顔を見合わせる。


「とにかく練習して、挽回してくれればいいから」

「うちら、予選で負ける気ないしさ」


それだけ言うと、先輩たちは制服に着替えて帰って行ってしまった。

私は袴姿のまま、その背中を見送る。


予選で負ける気ないって……私が負けてもいいと思って、練習をやってるように見 えるってこと?


胸はチクチク、胃はキリキリと痛む。

それでも私は的の前に立って矢をつがえると、何度も弓を引き絞った。

それでも、やっぱり矢は的を避けていく。