「最後に、女子団体戦二番、一年から六実」

「……え?」


今、私の苗字が聞こえたような……。

きっと空耳に違いないと思いながらも、心臓はバクバクと大きな音を立てて騒いでいた。

そのまま放心していると、葉山先輩の強い眼差しがこちらに向けられて、私はビクッと肩を震わせる。


「六実、返事はどうした」

「あ……は、はい……」


なんとか声を発すると、葉山先輩は頷く。

でも、射場に集まっていた部員たちからは、「二年でもなくて、一年の六実が選 手?」、「三年の最後の大会だっていうのに、なんだかな」と、嫉妬に満ちたどよめきが広がっていた。


そんな……私だって、どうして自分がって思ってるよ。

自分で選んだわけじゃないのに、そんなこと言われても困る。

私はただ、弓道を楽しみたいだけ。

大会になんて、出られなくていいのに……。


ぎゅっと、膝のあたりの袴を両手で握りしめて、身を縮こまらせていると、すぐに鋭い声が飛んでくる。