「努力家の六実なら、絶対に大会でも大丈夫だ。心の強さは、すでに備わってる」
……ん? 大会? 心?
私が言ったのは弓道のことだけじゃないんだけど、もしかして伝わってない?
まさか、ここまで葉山先輩が色恋に疎いとは……。
このまま自分の好意に気づかれずに、葉山先輩が卒業しちゃったら、どうしよう。
もっとはっきり、伝えなきゃいけないのかもしれない。
ぐっと両手を胸の前で握りしめ、立ち上がる。
私は座った際に軽くしわになった袴を手で整えて、葉山先輩の目の前に立った。
「あの、お願いがあります」
私は一本の矢を葉山先輩の眼前に突き出す。
「この矢が的に当たったら、私と付き合ってください!」
「付き合うって……」
それを聞いた葉山先輩は目を丸くして固まった。
それから長い間をかけて、私の言葉の意味を解釈したのか、腰を上げる。
「なら、迷うな」
「へ?」
葉山先輩の言ってることの意図が読めなくて、マヌケな声を出してしまう。
そんな私に向かって、葉山先輩は口端で笑う。
……ん? 大会? 心?
私が言ったのは弓道のことだけじゃないんだけど、もしかして伝わってない?
まさか、ここまで葉山先輩が色恋に疎いとは……。
このまま自分の好意に気づかれずに、葉山先輩が卒業しちゃったら、どうしよう。
もっとはっきり、伝えなきゃいけないのかもしれない。
ぐっと両手を胸の前で握りしめ、立ち上がる。
私は座った際に軽くしわになった袴を手で整えて、葉山先輩の目の前に立った。
「あの、お願いがあります」
私は一本の矢を葉山先輩の眼前に突き出す。
「この矢が的に当たったら、私と付き合ってください!」
「付き合うって……」
それを聞いた葉山先輩は目を丸くして固まった。
それから長い間をかけて、私の言葉の意味を解釈したのか、腰を上げる。
「なら、迷うな」
「へ?」
葉山先輩の言ってることの意図が読めなくて、マヌケな声を出してしまう。
そんな私に向かって、葉山先輩は口端で笑う。


