紅葉色の恋に射抜かれて

「うまいぞ、飲んでみろ」

「はあ……」


疑いながらも、思いきって抹茶ゼリージュースを口に入れる。

すると、ほんのり甘くて、抹茶のすっきりとした爽快感がふわっと舌の上を駆け抜けた。


「ん、意外においしい!」

「意外ってなんだ、意外って」

「あ……すみません」


つい、本音が。

私が肩をすくめていると、葉山先輩はふうっと息をついて、遠くにある的を眺める。

そんな葉山先輩の涼しげな横顔を見つめながら、私は考える。

甘やかすだけじゃなくて、厳しく接して成長させてくれる。

真に相手を思う優しさを教えてくれたのは、葉山先輩が初めてだった。


やっぱり好きだな……先輩のこと。


「私、葉山先輩みたいに強くなりますから。それでいつか、葉山先輩の隣に立つのに相応しい人間になりたい……です」


つい、想いが口からこぼれてしまった。

隣に立つに相応しい人間に、なんて……。

絶対に私が葉山先輩を好きだってこと、バレたよね。


焦りながら、プチ告白をしてしまった相手の顔色を窺うと、葉山先輩はケロッとした顔で答える。