紅葉色の恋に射抜かれて

「あ、これって六実さんの矢じゃん」

「うわー、拭きたくない」


そう言った同級生の部員のひとりが、私の矢を地面に叩きつける。


「あっ」


思わず声を上げると、同級生の部員たちはいっせいにこっちを振り向く。

私の存在に気づくと、気まずそうに視線を逸らしてきた。


「なんで……そんなことするの?」


私が気に食わないのはわかるけど、ここまでする?


悔しさのあまり目に涙が滲み、唇がわなわなと震える。

自分の矢が傷つけられるのを呆然と見つめていると、同級生の部員たちが顔を見合わせた。


「わ、私たちが悪者みたいじゃんね」

「うちらがなんでこんなことするのかは、胸に手を当てて、自分の心に聞いてみればって感じなんだけど」


揃いもそろって、私を責めることをやめない彼女たちに心が折れそうだった。

もう、部活をやめたい。

私にはやっぱり、荷が重かったんだ。


この人たちの前でなんて泣きたくなかったのに、涙は勝手に頬を伝う。

そんな私の横を誰かが通り過ぎた。