「私、中学三年生のときの高校見学で、葉山先輩の弓道を見たんです。なんていうか、弓を引いてる先輩の周りの空気が澄んでいくように見えて……。ああっ、うまく言えないのが歯がゆいんですけど!」
「そ、そうか……とにかく、落ち着いてゆっくり話せ」
息巻く私の肩に両手を置いた葉山先輩は困ったやつだな、と言いたげに微笑む。
私はすぐに、はっとして頬を熱くした。
私ってば、ひとりで興奮して恥ずかしい。
赤くなっているであろう顔を手でおさえて、チラチラと葉山先輩の様子を窺 うかがいながら、私は再び切り出す。
「見ている人の心を洗ってくれるみたいな弓道に出会ったの、初めてで……。そんな先輩の弓道に一目惚れして、この学校に決めたんです」
「そう……か」
葉山先輩は目を見張って、それからほんのり目元を赤らめる。
それにきょとんとしていると、葉山先輩は片手で口元を覆い、背を向けてしまった。
「そ、そうか……とにかく、落ち着いてゆっくり話せ」
息巻く私の肩に両手を置いた葉山先輩は困ったやつだな、と言いたげに微笑む。
私はすぐに、はっとして頬を熱くした。
私ってば、ひとりで興奮して恥ずかしい。
赤くなっているであろう顔を手でおさえて、チラチラと葉山先輩の様子を窺 うかがいながら、私は再び切り出す。
「見ている人の心を洗ってくれるみたいな弓道に出会ったの、初めてで……。そんな先輩の弓道に一目惚れして、この学校に決めたんです」
「そう……か」
葉山先輩は目を見張って、それからほんのり目元を赤らめる。
それにきょとんとしていると、葉山先輩は片手で口元を覆い、背を向けてしまった。


