紅葉色の恋に射抜かれて

「えっと……なんか、信じられないなって……思いまして」

「なにがだ?」

「葉山先輩は、今じゃうちのエースなのに、劣等生だったってことが、です」

「はは、最初からエースな人間なんていないだろ」


笑いながら振り返った葉山先輩は他の部員がいないからなのか、いつもより表情が柔らかく豊かな気がした。

そのギャップに胸がざわつくのを感じつつ、私は葉山先輩 の隣に並ぶように立つ。


「それくらい、私にとっての葉山先輩って神様みたいな存在なんですよ」

「……は?」


いつもはキリッとしている葉山先輩には珍しく、気の抜けたような返事だった。

それにくすっと笑いながら、私は言葉を重ねる。