いくら経ったか忘れてしまったけど、児童相談所の保護が終わり家に引き戻された時の絶望もとても大きいものだった。

児童相談所ではニコニコ話しかけてくる親だったけど、家に帰ったら同じ目にあうのは何となくわかっていた。

案の定、家に帰った途端殴られた。

でも、保護されたこともあって世間体を気にしたのか、それからは首から上は殴られなくなった。

その代わりお腹を殴られるようになった。

お腹は、殴られた痛みこそあまりなかったけど、気持ち悪さはダントツで、毎回のように吐いていた。

それから、ベランダに出すとバレることを学んだ親は、私を車のトランクに閉じ込めるようになった。

トランクの中は外と比べたら寒くはなかったけど、真っ暗で何もなかった分ベランダに出されるよりも怖かった。

それに、トランクに入れられると、誰にもバレないからか、数日放置されるのは当たり前になっていた。

その間、食べ物も飲み物ももらえない。

空腹と恐怖で頭がどうにかなりそうだった。

ずっと涙が出て止まらない。

でも、涙すら勿体なくて、流れる涙を手ですくって舐めていた。

いつ終わるかわからないそれは、ただひたすらにずっと辛かった。