最初こそ、震えが止まらなくずっと寒かったが、時間が経つにつれ震えは収まり、だんだんと寒さも感じ無くなっていた。

毛布に包まれたように温かくて、お腹が空いてたから雪を食べた。

何故か、その時は雪がとても美味しく感じて、ご馳走を食べている気分だった。

今思えば、幻覚だったのだろう。

でも、その時は本当に美味しく感じて、ひたすらおなかいっぱいになるまで雪を食べた。

おなかいっぱいになったら、今度は眠たくて、その時はとても幸せな気分だった。

痛みも、寒さも全て忘れて、ただただ幸福だった。

だからこそ、次の日病院で目を覚ました時は絶望した。



当時隣に住んでいた人が、たまたま私を見つけ通報したらしい。

目を覚ました時には、体中が痛くて寒くて苦しくて、『さっきの幸せな時間に戻して』と泣き叫んだ。

泣いても、叫んでも幻が戻ってくるはずもなく、医師に淡々と状況を説明され、数日後には児童相談所に引き取られた。