コンコンッ

「しつれーします。」

最初に入ってきたのは、ショートヘアのボーイッシュな女の子、続いておっとりした女の子、そして最後に私が倒れた日、職員さんを呼んでくれたポニーテールの女の子。

そういえば、誰もまだ名前聞いてなかったなって今になって気付く。

「……お見舞い来た。」

緊張で黙っている私に、ショートヘアの子がぶっきらぼうにそう言う。

「…あ、ありがとう。」

私が出した声は、私が思っていたより小さくて震えていて、緊張しているんだなって改めて思った。

「体調は?もう、大丈夫なの?えーっと、なんだっけ…名前……」

「ほのみ、ちゃん?」

「あ、そうそう、それ。」

ショートヘアの子とおっとりした子がそう話している後ろで、ポニーテールの子がじっとこちらを見つめていることに気付く。

何かな、と思いつつも、ショートヘアの子の質問に答えることにした。

「…体調は……、少し良くなりました。…で、でも、まだちょっと……」

私の心の病気…?について、話すかどうか迷ってしどろもどろしていると、突然後ろにいたポニーテールの子が大きな歩幅でこちらへ向かって歩き始めた。

どこか、睨むような表情に、何か怒らせちゃったかな、と少し怖くなっているうちに、いつの間にか女の子はベッドの真横に立っていて、私を見下ろしていた。

「お前さ……」

「…はい」

「顔色悪すぎ。まだ寝てろ。」

「え……?」

それだけ言うと、女の子はムスッとした表情のまま、そのまま病室を出ていってしまった。