「瀬川っ、どうした」

スタットコールをかけてすぐ、病室に佐伯先生が来てくださった。

「…自傷行為による出血性ショックを起こしています。応急的に止血はしましたがかなり傷が深いです。」

「わかった。じゃあ、俺は傷口の処置するから、お前はスタッフに指示出せ。」

「はい」

次々と来てくれる看護師さんに、輸液の指示を出し、ルートを確保するために傷口とは反対の腕をとる。

血が足りないために冷たくて、血管も細くなっている、それでもなんとか血管を見つけてルートを確保。

「先生、モニター用意出来ました。」

「ありがとう。体温、だいぶ下がってきてるから電気毛布ください。」

「わかりました。」

モニターを体に繋げながら、またさらに指示を出す。

その所で、扉が開いて清水先生が飛び込んできた。

「どうした」

「……自傷行為による出血性ショックです。」

そう言うと、先生が息を呑んだのがわかった。

「…そうか。わかった。とにかく、今はバイタルを安定させることが先決だ。何があったかは、落ち着いたら話そう。」

「はい」

清水先生は俺の肩をポンと叩いた。

「穂海ちゃんを守れるのはお前だけだからな。気張れよ。」

「……はいっ」