"先生、ずっとそばに居るって約束してくれる?"

"うん。約束する。"

「あの約束、俺はちゃんと忘れていないよ。絶対に破ることもしない。穂海ちゃんが望む限り俺はずっと穂海ちゃんのそばにいるから。」

穂海ちゃんの顔がクシャッと歪む。

「碧琉、先生…」

「うん。」

「本当に…本当にいいの?」

「もちろん。約束したからね。」

「こうやって、すぐ泣いちゃって、パニックになっちゃうよ……」

「それでも、約束は約束でしょ?守ることに変わりはないよ。」

「でも……でも…」

俺は、穂海ちゃんに歩み寄りそっと抱きしめた。

「もう、ひとりで我慢しなくていいんだよ」

「っっ……う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」

「よしよし。ずっと、苦しかったね。ひとりで頑張ってたんだね。」

「うんっ、ヒック…く、るしかったあ」

泣きじゃくる、穂海ちゃんの背中を撫で続けた。

園田先生も、佐伯先生もその様子をそっと優しく見守ってくれた。

昼から降っていた雨は、いつの間にか止んでいた。