その日は、穂海ちゃんの手術に関する2回目のカンファレンスが行われることになっていた。

カンファレンスと言っても、大人数でやるような大きなものではなく、穂海ちゃんの担当医である俺プラス執刀と第1助手をしてくださる佐伯先生と清水先生、それと今日は麻酔科の先生と精神科の先生も含めて計5人での話し合いとなっていた。

麻酔科の先生は、手術見学の時にお会いした先生だけ、精神科も兄貴以外あまり先生を知らないので少しだけ緊張する。

予定より少し早めにカンファレンスルームに5人が集まり、俺以外の先生は全員顔見知りらしく各々近況報告や世間話をしているようだ。

清水先生と佐伯先生以外に知らない先生は2人。

1人は背が高く手足もスラッとしていて、顔も整っている。

The王道イケメンというとこだろうか、知的でクールそうな雰囲気もきっとモテるだろうな…という感じ。

もう1人は、1人目の先生とは打って変わって、ぽわぽわした雰囲気の優しそうな先生。

先生方の間で話している時も笑顔で相槌を打っていて、見ているだけで安心する。

患者さんからも信頼が厚そうだ。

「さてと、時間になったしそろそろ始めますか。」

佐伯先生の言葉で、会話が止まり一気にみんな真剣な医者の顔になる。

「えーと、今日の内容はみなさん把握してると思うんで、とりあえず初対面の人もいるだろうから軽く自己紹介お願いします。じゃあ執刀、前立ち、麻酔、プシコ、最後に担当医でお願いします。えー、じゃあまず俺から。」

佐伯先生から自己紹介が始まる。

今回の手術における役回りと自分の専門を順番に言っていくようだ。

清水先生の番が終わり、次の先生は…

「えー、今回麻酔を担当します麻酔科の杉山です。一応専門は小児麻酔なんで、これからも関わることが多いと思います。よろしく。」

やはり予想通りクールな印象だ。

杉山先生、小児麻酔 とメモをする。

「じゃあ、次は僕かな。えっと、今回術後術前のサポートをさせていただきます精神科の園田です。僕は普段はあまり手術に関わることはなくて、主に病棟で治療を怖がる子や不安を抱える親御さんの精神面からのサポートを手伝わせてもらっています。でも、ここにいる人たちはみんな少なからず小児に関わっている人たちだからこれからも会う機会は多いと思うので、よろしくお願いします。」