5年後の遥くん

「やっと終わったねー!」



ショートカットの良く似合う瑠衣ちゃん。
たまたま席が後ろで話しかけてくれた子。

瑠衣ちゃんも私と同じで学校に知り合いが居ないらしくて、気が合ったんだっけ。



「そうだね、この後どうする?」

「んー、どうしよう……
…あ!ご飯食べてプリクラ撮ろうよ!友達になった記念!…なんちゃって」

瑠衣ちゃんは人差し指でほっぺをかいて、えへへ、と笑った。


「いいね!記念に撮っちゃおう!」

初めましてとは思えない程に気の合う瑠衣ちゃんからのお誘いに、ワクワクが隠せない。



こんなあっという間に友達出来ちゃうなんて…。

学校楽しみかも…!




廊下に出てから瑠衣ちゃんはお決まりのガールズトークをしだした。

「私の彼氏の話なんだけどね!」

瑠衣ちゃんら3歳上の彼氏がいるらしく、年上と思えないほど甘えん坊で、手に負えないの、と言いながら頬を緩ませていた。


お互いの過去の恋愛話をしながら玄関に着いた。


「あ!ごめん、忘れ物しちゃった、ちょっと待ってて!」


そう言って瑠衣ちゃんは教室に戻ってしまった。




ふぅ…、と一息つきながら玄関隣のベンチに腰を下ろす。

…恋かあ、全然してないなあ。



中学生の間は恋愛小説や少女漫画を読み漁って、
いつかきっと王子様と!なんて考えては居たけど…。


高校生っていざなってみると意外とそんな暇ないのかもなあ。
部活にバイトにやりたいことはたくさんあるし。
もちろん彼氏も欲しいけどやっぱりそんな時間はないのかも。



でも、高校生のうちに彼氏作って制服デートはしたいしバスで隣の席で帰ったり、花火大会行ったり、体育祭の借り物競争だって!

憧れは沢山ある。



あぁ、どんな人がいいかなあ。




ぼんやりと新しい恋に想いをめぐらせつつ、近くに居る男子学生に視線を這わせる。



「…!」