でも、やめてと言ったって、聞く耳を持つはずがない。だから、最初から諦めている


それに…あ、いろいろ考えてるうちに奏多が眠りの体制に入っているっ



“二度寝は二度手間”



なんだか、こういう言葉を奏多のためにことわざとして作って欲しいといつも思う



「白沢奏多くん?? 二度寝するのかな? そっかそっか、じゃあ私は戻るね。あと15分で出よっかな」


「だめっ!起きてるから…おいてかないでぇ」



そう言って、いつも抱きついてくる。


下から私を見上げる奏多は、163㎝の私よりも小さい、155㎝といったかなり小柄な体型だ。だから、私の腕の中にすっぽりと収まってしまう。

そんな姿が愛くるしくて

この遅刻寸前の状況であるにもかかわらず、ついつい許してしまいそうになる私を殴りたい。。。


「奏多…!もう、本当に遅刻しちゃうから!!起き上がってくれるのはいいんだけど、離れてもらわないと動けないでしょ!?」


「んぅ、、動けなくていい……から……」


「ダメなんですー!!!ほらっ、早く着替えて!」


「うーん……」


まったくもう、、、これからお弁当も作らなきゃいけないのに!

まあ、ここは冷静に、食べ物で釣るのが一番である。


「奏多、今日は朝ごはん抜きね。」

「いやっ!あーちゃんの卵焼き食べる!」

さっきまでの眠気はどこに行ったんだってぐらい、一瞬で飛び起きて、もうすでに着替え始めてるし