「起きなさぁぁーーーーーーーーーい!!」

「ぐかっ…」


大声を出すの。そして、


「まだ寝るつもり?いい度胸じゃない!

さっさとその目を開けなさい!!


なに?開けない気!?

これ以上私を怒らせて欲しいわけ!?」



しつこく怒鳴るんだ


「ん、、あ、あーちゃん おはよう」



「おはよう、、っじゃないわよ!奏多、アンタ今日もカギ閉めてなかったでしょ!

もう次からっ…」

と言って口を閉じた



これ以上言っても、体力と気力の無駄なのは知っているから。どうせこいつは聞かない。



「んもう、あーちゃん声が大きすぎるよ、、朝からうるさぁいっ」



そう。私の試練というのは、毎朝コイツの部屋で怒鳴ること。

もう試練ではなく、日課と言ってもいいかもしれない。


そんな私に手間をかけさせているのは、この、むにゃむにゃと呑気に目をこすっている


奏多

白沢奏多(しらさわ かなた) 16歳の高校2年生




私の幼なじみである。




「あーちゃん、起こしてぇ、、、」


「あーちゃん」は、もちろん私のこと。


私は平井綾(ひらい あや) 奏多と同じ、高校2年生。


勝手にニックネームをつけられて、「あーちゃん」と呼んでくる。だけど、なんだか可愛らしくて私はあまり気に入っていない