ピピピッピピピッピッ———
いつものように無情に響く目覚ましの音を、即座に止める。
まだ眠い……
このまま永遠に布団の中に潜っていたいと思う気持ちとは裏腹に、脳裏をよぎるのは、毎朝の「試練」のこと。
寝起きでまだ重たい体を起こして
しんと静まり返った廊下を歩き、ドア開ける。そしたら外に出て、今度は違うドアに手をかけると…
ガチャ
まただ。今日もカギがあいている。
「アイツめ……」
早朝から私を苛立たせるこのドアを憎みつつも、取っ手を引き、中に入る。
見慣れた廊下を進み、奥の部屋に足を運ぶと……
「ぐかぁあーーーー、、、」
やっぱり。よくも朝からこんな豪快ないびきをたてられるなぁ
そして、憎たらしいほど気持ちよさそうに
そのいびきを発しているのは、スッと通った鼻筋にくっついた、小鼻にある小さな穴。
少し視線を上にもっていくと、幅のある目に長い睫毛。
目との距離は1cmの眉毛、にかかるさらっさらの髪。
また視線を下におとすと、ぱっかーんと開いた口がそこに。
少し遠目で全体を見ると、小さな体で大の字を描いているコイツ
なんて無防備な姿なのよ……
「がっ、、、ぐぁーー」
その綺麗な顔立ちとは正反対に.その体制のように、鳴り響く大きな音。
うるさい、、、
でも、私はそれを食い止める方法を知っている。