目覚めればそこには陽多だけ。

 僕が聞く前に陽多が答えてくれた。

 「父さんと母さんは先生んとこ、お前の親も呼ぶって。なあ、何で黙ってた?」

 ゆっくりとでしか答えることしかできない。

 「全部母さんと父さんから聞いた。でも何で俺に言わなかったって聞いたら、楓奏が内緒にしてとしか言われてないって」

 うん、そう僕が頼んだ。

 その言葉に頷く。

 「言ったら、変わるかなって」

 「…何が」

 「それは…」

 話そうとしたところで医者と陽多の両親が入って来た。

 向こうの病院に連絡して入院の準備を済ませたこと、それから体に限界が来ていること等々説明された。

 眠い、今は眠りたい。

 でもその前に言わなきゃいけないこと。

 僕は陽多の服の袖を引っ張る。

 「また、来て。その時話すから」

 そう言わないと君は来ない可能性があるから。

 でもごめん、今は眠らせて。